看護師がうつ病になったら休職・退職すべき?自分にあった働き方は?

看護師がうつ病になりやすい仕事だとよく耳にしますが、うつ病になっても仕事ができるのか、どのように対処すればいいか不安に思う方もいるでしょう。

そこで、うつ病の基本から、看護師がうつになる原因、対処法、休職や退職をすべきなのかなどについて詳しく解説します。

この記事を読めば、看護師で働いている際にうつ病になっても、適切な判断をして、心や体を守ったり、復職を目指したりできるようになるでしょう。

うつ病の正しい理解は、看護師として働くためにも不可欠な知識です。

うつ病とは?

うつ病は、何をしても楽しいという感情が生まれなかったり、気分が落ち込み続けてしまったりするなどの症状を引き起こす、気分障害のひとつです。

うつ病がなぜ発生するのかは明らかになっていません。

しかし、精神的・身体的ストレスが積み重なり、意欲や感情をもたらす脳の働きが正常に動作しなくなるためではないかと考えられています。

また、厚生労働省の発表によると、100人に約6人がうつ病を経験したことがあり、男性よりも女性の方が1.6倍ほど多いといわれています。

自分が感じるうつのサイン

うつ病が悪化してしまうと、仕事にやる気も持てず、就職期間が伸びたり、就労できない状態になったりしてしまうケースも少なくありません。

そのため、できるだけ早く自分の異変に気付くことが大切です。

以下で紹介する症状はうつ病のサインとなるため、当てはまるものがないかまずはチェックしてみてください。

自分でできるうつ病チェック
  • 何をしても関心を持てず、楽しいと感じない
  • 思考力が落ち、集中力が続かなくなっている
  • 疲れやすく、体もだるい状態が続いている
  • 動悸が激しくなりやすい
  • ゆうつで気分が悪い
  • 自分には価値がないと考えたり、責めたりしてしまう
  • ささいなことでもイライラしてしまう

少しでも辛いと感じたら、医師の診断を受けるようにしましょう。

精神科には行きづらいと感じる方も多くいますが、ひどくなってからでは治療するのに時間がかかってしまいます。

周囲が感じるうつのサイン

続いて周囲の人たちが、うつ病だと感じる変化を紹介します。

もし下記のような様子が見て取れる人がいたら、気にかけてあげると良いでしょう。

人からこんな風に思われていたら危険?なサイン
  • 疲れやだるさが見て取れる
  • あくびが多かったり、目の下にクマができたりしているなど、不眠傾向が見られる
  • 何をするにもつまらない顔をしている
  • 以前よりも仕事に覇気を感じられない
  • 事あるごとにイライラしている
  • すぐに自分自身を責めたり、否定したりする発言をする
  • 食べる量も減り、食欲がないように見える
  • 激しい体重の増減がある
  • 決断力や集中力が落ちている

なるべく身近な人の反応ほど正直なので、親や兄弟、仲の良い友達の意見が参考になります。

 

看護師特有のうつの原因

看護師の仕事柄、うつになってしまうことの多い原因を紹介します。

新人の方でもため込みすぎてうつ病になってしまうケースもあるため、無理はしすぎないようにしてください。

うつになるのは、メンタルの弱さが問題でなく、恥ずかしいことでも決してありません。

医療現場特有の人間関係によるストレス

医療現場では人間関係によるストレスが要因で、うつ状態になってしまうケースが多くあります。

看護師も患者さんの命に関わる仕事であるため、迅速で正確な対応が求められる状況に居続けなければならず、精神的に疲れてしまうためです。

また、同僚や先輩などとの人間関係も原因となりやすく、気を使いながら働き続けなければならないのは、心が休まる暇もないでしょう。

病院によっては良好な関係を築ける場合もありますが、こればっかりはどうなるかわかりません。

業務過多によるストレス

看護業界では人手不足も叫ばれており、ひとりの仕事量が多くなってしまう傾向があります。

さらに経験を積んでいくと、より責任のある仕事を任されるようになり負担も大きくなっていきます。

また、夜勤などの時間も増加してしまうため、生活リズムが整わず、疲れが取れないのも珍しくありません。

仕事によるストレスは、働くことに関するモチベーションをさげ、集中力や判断力の欠如につながっていきます。

自分が鬱(うつ)になったときの対処法

うつになってしまった場合の一番の対処方法は、やはり心と体を休めることです。

無理に働き続けてしまうと自分へのダメージが大きくなってしまい、よりひどいうつ病になってしまいます。

また、医師の診断を受けて正しい治療を受けるのも忘れてはいけません。

病院に行くほどではないと思っていても、予想以上に精神的な疲れがたまっている場合もあるため、診察を受けるようにしましょう。

一人で抱え込まず、周りに助けを求めることが何よりも大切です。

うつ病になったら休職・退職すべき?

うつ病になってしまうと、思考がネガティブになってしまい、正しい判断ができなくなってしまいます。

そのため、休職や退職のことを考えてしまうと、それ以外の解決方法が思いつかなくなるかもしれません。

そのため、うつ病の波が比較的落ち着いているタイミングで休職や退職を考えるのがベストです。

自分で判断ができない場合は、医師と相談してどの選択肢が一番いい方法なのか判断しましょう。

退職する前にやってみると良いこと

うつ病になってしまって退職するのは悪いことではありませんが、もっと良い解決方法があるかもしれません。

すぐにダメだと諦めてしまう前に、今の環境を少しでも良くする方法を実践してみることをおすすめします。

1.異動や配置変更を申し出て働き方を変える

看護師がうつ病になってしまうのは、夜勤やハードワークによる疲れや、生活リズムが整わない環境にもあります。

そのため、移動や配置変更をしてもらうなどして、夜勤も少なくプライベートな時間に余裕が持てるように、働き方を変えるのもひとつの手段です。

仕事にストレスを抱えている方は、気持ちを切り替えられる余裕ができるだけでも、精神的な負担を和らげられるため、試してみてはいかがでしょうか。

2.勇気を出して休みを取る

うつ病になってしまったときは、みんなに迷惑をかけるからという考えを捨てて、休みを思い切って取ってしまうのもおすすめです。

周りを気にしすぎて、症状が悪化したり自分が倒れてしまったりしては意味がありません。

それこそ、退職から就職または復帰するのに大きな時間がかかる原因になってしまいます。

病院には休みを認めなければならない、病気休職や有給休暇などもあるため、無理せず休みをもらってください。

復帰や退職を考える前に、とにかく体を休めてゆっくりと考えられる時間を作りましょう。

3.誰かに相談する

先述しましたが、うつ病になって一人で抱え込んでも良いことはありません。

人に相談するのは勇気がいることかもしれませんが、話せる相手がいるとだいぶ心も落ち着きます。

また、第三者視点からアドバイスをもらえるため、自分では気づかなかった解除方法が見つかるかもしれません。

先輩や同僚、友達でも構わないため、まずは相談してみてください。

もしも退職するなら

退職以外の方法も紹介しましたが、無理をして働くことだけはしないようにしてください。

仕事から離れるのも不安に思うかもしれませんが、働くのが限界であれば退職して回復を目指すのが最優先です。

医師やカウンセラーの協力を得ながら、ゆっくりと自分のペースで過ごすようにしてください。

何よりも体が資本なため、自分を大切にするのを忘れてはいけません。

退職の決断は落ち着いている時に

先述したように、うつ病は気分の浮き沈みに波がある病気です。

そのため、ネガティブな思考ばかりが頭を巡るタイミングでの退職は避けた方が良いでしょう。

冷静になって、現状を整理できる余裕があるときに決めてください。

仕事を辞める退職は人生においても重大な決断なため、できるだけ納得した状態で決めた方がショックも大きくありません。

精神疾患の診断書を提出する

うつ病になった際は、精神疾患の診断書を提出すれば休職や退職の手続きができます。

また、心の病気を詳しく相手に伝えたくないときにも、病気を発症している証明として扱えます。

さらに診断書は、失業給付や傷病手当を申請する際にも必要となるため、うつ病になった際は医師の診断を受けるようにしてください。

うつ病であることを伝える

心の病は周囲から気づいてもらいにくいため、周囲に伝えるのも良い方法です。

看護師は責任のある仕事を続けなければならないため、うつ病になってしまいやすい仕事なのは周りも知っています。

そのため、同僚や上司にはっきりと伝えると、休みの提案や働き方見直しなどの対策を取ってもらうことも可能です。

また、退職する理由としても認められているため、何も心配する必要はありません。

うつ病で退職した看護師は復職が可能!

うつ病で退職した方であっても、看護師の復職は可能です。

そのため、看護師として再度働きたいと考えている方も、退職して心と体を休めることができます。

また、復職を考える際は医師とも相談しながら、慎重にタイミングを見計らいましょう。

万全じゃないタイミングで職場に戻ろうとすると、うつ病が再発してしまうかもしれません。

再就職先をよく検討する

復職の仕方は、以前と同じ病院で勤務する方法もあれば、異なる職場で復帰する方法があります。

以前と同じ働き先であれば、新しく覚える仕事も少なく、ある程度気の知れたメンバーとの仕事も可能です。

異なる職場で復帰する際は、覚えることは多くなりますが、環境を変えられるため新しい気持ちで働けるのがメリットといえるでしょう。

また、どのような働き方をしたいのかも検討した上で再就職先を決めてください。

希望に近い働き方で、ライフスタイルにも合わせ無理なく働ける職場が一番です。

看護師の紹介派遣を利用する

紹介派遣を利用するのも、看護師復帰に役立つ職場探しの方法です。

紹介派遣では、業務内容や職場の環境や雰囲気など、派遣期間を活用して確認できるため、自分に合った職場かどうか検討できます。

また、事前に希望を伝えておけば、条件に合った職場を案内してもらえるため、遠慮せずにどのような職場で働きたいのか伝えましょう。

傷病手当と失業給付は最大約2年6ヶ月受けられる

うつ病で退職した場合は、傷病手当と失業給付を、最大約2年6ヶ月まで受けられます。

つまり、2年ほどかけてゆっくりと心身を回復する時間が作れます。

しかし、失業給付を受け取る場合は求職活動をするのが条件となるため、その点には注意が必要です。

あくまでも社会保険制度を活用すれば、経済的な困窮を避けられる手段となりますが、働けない間のお金が心配な方には安心材料にもなるでしょう。

参考:厚生労働省 傷病手当について

周囲にうつ病らしき人がいる時の対処法

周囲にうつ病らしき人がいたら、慎重なサポートを心がけてください。

うつ症状がある際は、心もナイーブになっているため、相手の気持ちを受け入れて安心できる環境を作り出すのが大切です。

本人と少し話せるようになったら、仕事や労働環境についての悩みを聞いて、今後の働き方やできる対策がないか検討していきましょう。

職場の人達だけでは解決できない場合は、専門家や医師から正しいサポートと治療をしてもらえるように、アドバイスするといいでしょう。

看護師のうつ病まとめ

看護師のうつ病は、大きな責任を持つ仕事と人間関係によるストレスが原因となって発症することが多くあります。

そのため、自分を責めることはせず、仕方のないことだと考え、治療に専念するようにしましょう。

また、心が乱れていると、ネガティブなことばかり考えてしまうため、できるだけ落ち着いているときに休職や退職を考えるのがおすすめです。

うつ病で仕事を休むのは決して悪いことではないため、一人で抱え込まず、医師や専門家のサポートを受けながらゆっくりと回復を目指してください。