退職を申し出てもはぐらかされるブラック企業は、退職代行を使って辞めることをおすすめします。
しかし、退職代行に興味があっても、具体的な利用方法が分からない方もいるでしょう。
そこで今回は、ブラック企業を辞めるための、退職代行の使い方を紹介します。
また、できることなら退職代行を使わずに会社を辞めたいという方に向けて、自力で退職できるケースと、具体的な方法や注意点も紹介します。
ブラック企業を退職代行で辞める方法
退職代行の利用方法は、基本的に次の5つの手順で完結します。
- 無料相談
- 申込む
- 情報を伝える
- 代行会社から勤務先に退職意思を伝える
- 返却物を郵送
「どんなことを相談すればいいのか分からない」という人でも、まずは退職代行会社に無料相談するのがおすすめです。
自分の状況を相談して、最適な退職の仕方を見つけましょう。
無料相談の結果、退職代行を利用したいと思えば、申込みをします。
その後、会社の情報や上司の名前、退職希望日など、指定されたフォーマットに沿って情報を入力してください。
退職代行会社より、勤務先に退職意思が伝えられます。
後日、社員証や制服などの返却物を郵送して、離職票が手元に届けば退職完了です。
ブラック企業の特徴とは
勤め先がブラック企業の場合、心身が疲弊しきる前に退職するのがいいでしょう。
厚生労働省から、ブラック企業の定義は公表されていません。
ただし、一般的にブラック企業と言われる会社の共通点は以下の通りです。
- 長時間労働で拘束する
- 給与や残業代、休日手当て等の未払い
- すぐに人が辞めていく、人の入れ替わりが激しい
- 辞めたくてもすぐには辞めさせてもらえない
順番に解説していきます。
長時間労働で拘束する
労働基準法第三十二条では、休憩時間を除いて、社員への労働時間を次のように制限しています。
- 1週間で40時間を超える労働は禁止
- 1日8時間以上の労働は禁止
上記の規定時間を超える場合は、ブラック企業の可能性が高いと言えるでしょう。
また、厚生労働省より1ヶ月80時間を超える残業が続くと、過労死との因果関係が認められると公表されています。
給与や残業代、休日手当て等の未払い
定時以外の労働を課す場合、時間外労働の給料を支払うことが法律で定められています。
給与はもちろん、残業代や休日手当て等が会社から払われないなら、ブラック企業に該当する可能性が高いでしょう。
また、予め給料に残業代が含まれている「みなし残業代」を利用している企業もあります。
ただし、みなし残業代に見合わない労働を課せられる場合も、ブラック企業を疑いましょう。
すぐに人が辞めていく、人の入れ替わりが激しい
労働条件や環境が整っていれば、社員が辞めていくということは少ないはずです。
自分の職場から社員が辞めていくのは、労働条件や環境が適切ではない可能性があります。
また、人の入れ替わりが激しいのは、会社側が辞める前提で社員を雇っている可能性が高く、改善する意思が少ない現れです。
自分の周りを見て、社員の入れ替わりが激しい場合は、ブラック企業を疑うのがいいでしょう。
辞めたくてもすぐには辞めさせてもらえない
退職意思を伝えてもはぐらかされたり、退職理由を認められないのもブラック企業特有の問題です。
退職代行を使って、多少無理やりにでも会社を辞める方法を考えるのがいいでしょう。
そもそも退職代行を使わなくて良いケースもご紹介
以下のようなケースの場合、退職代行を使わなくても辞められる可能性があります。
- まだ辞めると伝えていない
- 実際に退職した人がいる
- 人手が増えてきている
できることなら退職代行を使いたくないという人で、自分の会社が上記に当てはまる場合は、自力で退職するのがいいでしょう。
ブラック企業を自力で退職する方法と流れ
勤め先がブラック企業の場合、退職の意思を伝えるだけでは、認められない可能性があります。
ブラック企業を自力で退職するために、以下の手順を踏むようにしましょう。
- 就業規則で退職を申し出る時期を確認
- 引き止められにくい退職理由を準備する
- 退職願を出すor上司に直接伝える
- 業務の引継ぎを行う
- 離職票を受け取って退職する
順番に解説していきます。
就業規則で退職を申し出る時期を確認
退職を伝える前に、就業規則を読んで、何ヶ月前に退職を伝えるべきか確認しましょう。
通常は、1ヶ月から3ヶ月前までに、退職を申し出るよう設定されている会社が多いようです。
就業規則に則って退職を伝えれば、会社側も容認してくれる可能性が高くなります。
ただし、就業規則は会社のルールであって、法律では無いので破っても罰せられることはありません。
民法第六百二十七条では、雇用期間の定めがない人は2週間前に会社に伝えれば退職可能であると記載されています。
そのため、急を要する場合は、退職の2週間前までに意思を伝えましょう。
引き止められにくい退職理由を準備する
ブラック企業であれば、簡単に退職理由を認められないことも考えられます。
代替案を提案されないように、以下のような理由を伝えるのがおすすめです。
- 親の介護をする
- 家庭の事情で引っ越す
- 自身のケガ
自分ではどうしようもない退職理由であれば、会社側も容易に引き止めてこないでしょう。
退職願を出すor上司に直接伝える
退職意思を伝えるなら、直接上司に言いましょう。
ただし、ブラック企業の上司であれば、退職を伝えても「そんな話聞いていない」とはぐらかされることもあります。
上司がいい加減だと思うのであれば、証拠を残すために、退職届を出すのもいいでしょう。
業務の引継ぎを行う
自分が退職して会社が困るようであれば、退職の先延ばしを提案されるかもしれません。
自分が抜けても会社が困らないように、後継者が仕事をしやすいような引き継ぎをすることも忘れないようにしましょう。
離職票を受け取って退職する
退職して2週間ほど経てば、郵送で離職票が送られてきます。
失業手当を受取る際に、離職票が必要なので、必ずもらいましょう。
自力でブラック企業を退職するにあたっての注意点
一般的な会社であれば、前述した手順で退職できますが、一筋縄では行かないのがブラック企業。
自力でブラック企業を退職する際に、考えられる注意点と対策を紹介します。公務員の方はこちら
有給休暇を拒否される場合がある
2週間前に退職を伝えて、2週間分の有給を使えば、伝えた当日から出社しなくて済みます。
有給休暇を拒否される可能性もありますが、有給は法律で定められた労働者に与えられた権利です。
- 半年以上継続して雇われている
- 全労働日の8割以上を出金している
上記2点を満たしている場合は、有給を取得できます。
それでも拒否される場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
退職を拒否される可能性がある
退職理由を伝えても、受け入れてもらえない可能性も0ではありません。
その場合、自力で退職をするのは難しいので、退職代行を利用するのがいいでしょう。
退職代行であれば、即日退職することも可能です。
損害賠償を請求するケースがある
在職中に、高額な損失が出たため、一部を支払うと契約にサインした元雇用者が、退職後に訴えられた事例が存在します。
ただし、会社側も訴えるのに膨大な時間と費用がかかるので、大きな損失を出していない限りは心配する必要もないでしょう。
もし思い当たる節があるのなら、弁護士に相談することがおすすめです。
離職票を出してくれないケースがある
雇用保険法第七十六条三項では、退職者が希望すれば会社は離職票を発行する義務があると記述されています。
発行してもらえないようであれば、ハローワークや労働基準監督署に連絡して、会社へ請求しましょう。
辞めたくても辞めさせてもらえない…そんな場合も退職代行なら即日退社可能
実際に退職意思を伝えても、辞めさせてもらえないのなら、退職代行を利用して即日退職しよう。
最短で当日でも対応可能!即日退社できる
有給休暇が二週間残っていれば、その日に退職できます。
また、自身のケガや身内の介護、会社側に非があるような、やむを得ない場合は即日退職も認められています。
24時間営業の退職代行会社もあるので、当日に申し込んで退職するのも可能です。
ただし就業前には手続きを終わらせなければならないので、当日に申込む際は、勤務時間の2,3時間前に伝えましょう。
会社と直接やりとりする必要がない
当日は、退職代行のスタッフが会社に連絡をしてくれるので、自分は会社とやりとりする必要がありません。
制服や社員証などの返却物も、後日会社に届けてくれます。
デメリット?退職代行費用は負担になる?
退職代行を利用するには、最低でも2万円以上はかかります。
退職後は金銭の工面も必要なので、自力で退職できそうであれば、直接上司に伝えるのがいいでしょう。
まとめ
- ブラック企業を退職する際は、準備をして上司に伝えよう
- 有給休暇が2週間以上あれば、即日退職も可能
- 退職代行を利用するなら、無料相談からはじめよう
- 退職したくても認められない場合は、退職代行を検討しよう
今回は、ブラック企業を退職代行を使って辞める方法と、自力で辞められるケースについて紹介してきました。
自力で退職できそうな場合は、直接上司に伝えるのがいいでしょう。
ただし、辞めたくても辞めさせてもらえないブラック企業であれば、心身が疲弊しきる前に、退職代行の利用を検討するのがいいでしょう。
よくある質問
ブラック企業に退職代行を使う際によくある質問や気になる項目についてまとめました。「こんな事も気になる!」という質問がある方はぜひこちらから探してみてください。
会社を辞める賢い辞め方は?
会社を辞める賢い辞め方は、以下のような方法があります。
病気療養や家族の介護といった引き止められにくい理由を考える、職場に返却が必要な物を事前に確認しておく、退職後に必要になる書類や手続きの準備をする。詳しくはこちらをご覧ください。
辞めて正解な会社の特徴は?
辞めて正解な会社の特長として、以下のケースが挙げられます。
長時間労働、給与の未払い、すぐに人が辞める。詳しくはこちらをご覧ください。
ブラック企業を辞められない理由は?
ブラック企業を辞められない理由として、トラブルになることを恐れていることが多いです。退職を拒否される、損害賠償を請求されるなど。詳しくはこちらをご覧ください。