仕事を辞めることは、周囲から甘えだと思われることがあります。しかし、それは本当に正しいのでしょうか?
この記事では、仕事を辞めたいと思うことが甘えと言える理由と、甘えとは言えない理由について詳しく解説しています。
また、仕事を辞める前に取り組むべきことや、仕事をトラブルなく辞めるための準備についても紹介をしています。
最後まで読むことにより、仕事を辞めたいときに、周囲から甘えだと思われない方法、また、辞めるときに上司や周囲から言われそうなセリフも確認しておきましょう。
仕事を辞めたいのが甘えだと思われるのはなぜ?
仕事を辞めたいと思っても、周囲の人から「甘えだ」と思われてしまうことがあります。なぜ、そのような見方をされてしまうのでしょうか?
一つの理由は、現代社会において働くことが当たり前の価値観が根強く残っていることです。
また、経済的な不安定感や職場の競争原理が強く、仕事を続けることが正当化されているという思考もあるかもしれません。他にもこれから紹介する理由が一例としてあります。
一時的な感情で仕事を辞めたいと思われている
「仕事を辞めたいのが甘えだ」と思われる理由の一つに、何らかのミスや落ち度に対して一時的な感情で仕事を辞めたいと思われていることが挙げられます。
例えば、プロジェクトの期限が迫っていたり、上司との意見が合わなくなってストレスを感じていたりすると、一時的に「もう辞めたい」と感じてしまう人も多いです。しかし、そのような感情は時間とともに収まることが多く、長期的な判断に影響を及ぼすほどのものではありません。
したがって、辞める意思表示をするタイミングによっては、一時的な感情で仕事を辞めるのは甘いと思われます。
責任やミスから逃れようとしていると思われている
「仕事を辞めたいのが甘えだ」と思われる理由として、責任やミスから逃げようとしていると誤解されることがあります。
例えば、仕事が難しいため自分では対処できない、ミスをしてしまうとストレスがたまる、責任が大きくてプレッシャーを感じるなどの理由から、仕事を辞めたいと考える場合です。
しかし、これらの理由から逃げるために仕事を辞めることは、問題を解決するための正しい方法ではありません。仕事を辞めても問題を解決することはできません。したがって甘えだと思われがちです。
好きな仕事じゃないとわがままだと思われている
「仕事を辞めたいのが甘えだ」と思われる理由として、自分が好きな仕事じゃないとわがままだと誤解されることがあります。しかし、仕事が自分にとって意義のあるものであることは、人生においてとても重要なことです。
自分がやりたいことや、将来のキャリアに繋がることを考えて、自分が本当にやりたいことを追求することは、自分自身の成長や幸福感を高めることにつながります。
もちろん、好きなことを仕事にすることができない場合もありますが、自分の価値観に合わない仕事を続けることはストレスや疲れを引き起こすことがあります。
自分自身が望むキャリアを築くために、自分の選択肢を広げることも必要です。好きな仕事を追求することは、甘えではなく自己実現や成長につながる大切なことです。
相手を選んで行動していると思われている
「仕事を辞めたいのが甘えだ」と思われる理由として、周りの人たちによっては「辞めたいと思っているなら辞めればいいじゃないか」と理解してくれる人もいますが、中には「甘えだ」と考える人もいます。
その理由としては、自分の気持ちを相手にうまく伝えられていないことが挙げられます。自分が本当に辞めたい理由を相手に伝えることができず、相手に「逃げている」と誤解されてしまうことがあるからです。
人間関係のトラブルはどの職場でもあります。円滑な人間関係を構築する能力を身につける必要があります。
甘えではない!仕事を辞めたいのが当然であるケース
ここまでは、仕事を辞めたいのが甘えと思われそうな理由を紹介しました。
誤解の場合もありますが、状況によっては本当に辞めた方がよいのでは?というケースもあるでしょう。
時には辞める選択肢を考えすぎではなく、辞めるのが当然だから気にする必要はないケースもあります。
会社の将来に不安を感じている
会社の業績不振や経営不振が続いている場合、リストラや倒産のリスクが高まり、雇用が不安定になることがあります。
また、自分が所属する部署やチームの業績が低迷している場合、評価や昇進の見込みが立たず、長期的にキャリアアップが難しいと感じることもあるでしょう。
さらに、自分自身が求めるスキルや知識を身につける機会や環境がなく、キャリアアップの可能性が低いと感じることもあります。これらの問題が継続的に発生し、改善されない場合は、仕事を辞めることを模索することが大切です。
テレワークやリモートワークに疲れ果てた
テレワークやリモートワークに疲れ果てて、仕事を辞めたいと考えることは当然です。在宅勤務の環境では、自分自身で時間管理や仕事の配分をする必要があり、そのために仕事とプライベートのバランスが崩れ、過剰な仕事量に繋がることがあります。
また、家族やペット、家事など、自宅にいるときには仕事と無関係なことが気になり、集中力が低下してしまうこともあります。さらに、オンライン上でのコミュニケーションが希薄で、対面でのコミュニケーションよりも疲れやすく、孤独感を感じることもあります。
これらの問題が継続的に発生し、改善されない場合は、専門家や上司と相談し、適切な対策を講じることが大切です。
労働環境に明らかな問題がある
労働環境に問題がある場合、仕事を辞めたいと考えるのは当然です。
例えば、上司や同僚との人間関係が悪く、職場で嫌がらせやいじめがある場合や、残業や過剰な仕事量が常態化していて、過労やストレスが原因で健康を害している場合などが挙げられます。
これらの問題がある場合は、専門家や労働組合に相談し、解決策を模索することが大切です。
仕事を辞める前に冷静に取り組むこと
甘えでも何でもなく、仕事を辞める方が無難なことはあります。しかし、仕事を辞めることで収入がなくなることや、新しいトラブルにつながる可能性もあるでしょう。
まずは今の仕事を辞める前に、冷静に取り組むべきことを紹介します。
辞めたい理由を書き出して考える
仕事を辞めたい理由を明確にすることが、冷静に対処するための第一歩です。
紙に書き出してみたり、スマホのメモ画面に打ち出したりするだけでも効果があります。
理由を明確にしておくことで、自分自身の気持ちを整理することができます。
辞めることが問題解決になるか考える
仕事を辞めることが、問題を解決するためになるのかどうかを考えることが大切です。
例えば、いじめやパワハラであれば職場を離れることで解決が期待できます。しかし、辞めたい理由の職場や顧客トラブルになった原因が自分にあった場合は別問題です。
次の職場が同じ職種だった場合に、同じ失敗やトラブルを起こす可能性、さらに以前の職場で関係があった顧客と接することになった場合のリスクも検討すべき材料になります。
仕事を辞めることで問題が解消される場合もありますが、逆に問題を悪化させることになる場合もあります。
辞めずに部署異動や転勤なども検討する
仕事を辞める前に、部署異動や転勤などの選択肢も検討することが大切です。
自分自身がやりたいことを追求しながら、会社にとどまることができるかもしれません。
仕事を辞めにくい5つの状況とは?
仕事を辞めることは、人生の中で大きな決断の一つです。しかし、中には辞めにくい状況に陥ってしまう人もいます。
一体どのような状況が、仕事を辞めにくくさせるのでしょうか?以下は、仕事を辞めにくい状況の代表的な5つの例です。
仕事を辞めたあとの生活が不安
仕事を辞めると、収入面で生活が不安定になることがあります。生活費や家賃の支払いは絶えず考慮すべきポイントです。他にも、これまで当然だった人間関係も大きく変化することも考えられるでしょう。
さまざまな不安はありますが、なかでも不安として大きいのは、新しい仕事が見つからないことです。
家族が辞めることを反対している
家族が反対すると、辞めることができない場合があります。
家族との意見の相違や、家族の経済的な支援が必要な場合などが考えられます。
上司が怖いので辞めたいと言えない
日頃、上司から厳しい評価や厳しい指示、怒鳴りつけられたり、怒りを露にされたりするなど見に覚えがあれば、上司が怖くて、辞めたいと言えない場合もあります。
辞める意志を告げると、上司からの嫌がらせや、パワハラなどを受ける可能性があります。それが原因で、本当は辞めたいと思っていても言い出せない場合もあるでしょう。
職場や同僚に迷惑がかかるので不安
職場や同僚に迷惑をかけたくないと思って、辞めることができない状況は多いです。
特に、職場の人間関係が円滑でない場合は、揉めることもあり不安要因となります。
引き止められたら断れない
辞めようとすると、引き止められる場合があります。特に、強く相手に意見を言えない人には大問題です。
上司や同僚からの引き留めが強い場合は、断ることができない場合が考えられます。
パワハラやいじめに遭ったらどうする?職場での対処法と辞めるタイミング
後悔なくスムーズに仕事を辞めるためには、辞めるタイミングに気をくばることも必要です。
仕事を辞めるべきタイミングには以下のようなものがあります。
- 人間関係が改善されないまま
- パワハラやいじめがある
- 仕事の適性に問題がある
- 給料や労働時間に問題がある
- 会社の経営状況がよくない
それぞれの特徴について説明します。
人間関係が改善されない
職場での人間関係が悪化し、改善される見込みがない場合もあります。その場合は、人間関係のストレスやプレッシャーから解放されるために仕事を辞めることが必要になる場合があります。
ストレスやプレッシャーで体調を崩しては元も子もありません。
自分自身のためにも、ストレスを感じる原因を取り除くことが重要です。
パワハラやいじめがある
職場でのパワハラやいじめが原因で、仕事を辞めることが必要になる場合があります。
自分自身が健康的に働くことができる環境を整えるために、適切な措置を取ることが重要です。
仕事が自分の適正に合わない(一定期間働いてみて)
自分自身の適性や興味の無い仕事を続けていると、ストレスや不満がたまってしまいます。その結果、心身に悪影響を与えることがあります。
自分自身がやりたいことを追求することは、人生を豊かにする上で重要なことです。
給料や労働時間に明らかな問題がある
長時間労働が続くことやそれに見合った給与をもらえないことにより、ストレスや健康に悪影響を与えることがあります。
自分自身の健康状態を考慮し、仕事を辞めることが必要になる場合があります。
会社の経営状況が悪化
会社の経営状況が悪化し、将来的に会社が存続できる可能性が低い場合もあります。自分自身の将来を考慮し、仕事を辞めることが必要になるかもしれません。
以上が、仕事を辞めるべき5つのタイミングの特徴です。自分自身の気持ちを整理し、冷静に対処することが大切になります。
退職を引き止めるセリフへの対処法~状況別~
これまで仕事に対して真面目に取り組んできた人ほど、退職願を出すと引き止める動きや声は強くなりがちです。退職を引き止めるセリフも、いろいろあるものと考えたほうがよいでしょう。
それぞれのセリフに対して、考え方や状況に合わせた対処法を紹介します。
「給料を上げるから」
引き止めるための交渉材料として、金額を持ち出される場合は多いです。
しかし、給料だけが問題ではない場合が辞める理由に多いため、お金の問題ではなくチャレンジしたい仕事があるなど、ポジティブな退職理由を用意しておくことが大切です。
「後任が見つかるまで」
後任が見つからないという理由で引き止められることがあります。しかし、自分自身がストレスを感じる環境で働くことは得策ではありません。
また民法627条1項により、退職2週間前に意思を伝えれば退職は可能なので「後任が見つかるまで働かせる」というのは違法行為です。
上司に「辞めます」と自分の意志をしっかりと伝えましょう。
参考:e-GOV
「必要な人材だから」
自分が必要不可欠な人材だと思われている場合は、引き止められる可能性があります。
しかし、辞めるのを留まらせる、ご機嫌取りである可能性もあります。浮かれることなく、自分自身がやりたいことを最優先にした方が良いでしょう。
「あなたのためなんだよ」
上司や同僚があなたのためだと仕事の継続を促す場合がありますが、自分自身がストレスを感じる環境で働くことに意味はあるのでしょうか。
自分自身の気持ちをしっかりと伝え、やりたいことがあるからと前向きな退職理由を用意しておくことが大切です。
仕事をトラブルなく辞めるための準備
いざ退職する!と心に決めても、手続きや引き継ぎ業務など社会人としてするべきことは多いです。
仕事をトラブルなく辞めるための準備について説明します。
ポジティブな退職理由を用意する
ポジティブな退職理由を用意することで、仕事を辞めることが周囲から受け入れられやすくなります。
職場の悪口にとられそうな理由は、絶対に口にしてはいけません。あくまで職場には感謝の気持ちを伝えることが理想といえます。
自分自身が良い方向に進むための前向きな退職理由を考えることが大切です。
できるだけ早い段階で上司に相談する
仕事を辞めることを決めたら、早い段階で上司に相談することが大切です。
自分自身が不都合なく退職できるように、上司とのコミュニケーションをしっかりと取ることが重要になります。
引き継ぎになりそうな仕事は終わらせておく
引き継ぎになりそうな仕事は、できるだけ終わらせておくことが大切です。
自分自身がに問題なく退職できるように、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
なかなか辞めさせてもらえないときは退職代行を活用する
退職代行を活用することで、スムーズに仕事を辞めることができる場合があります。
退職代行は、退職の意思を伝えているのに辞めさせてもらえない場合や、どうしても自分では強く出ることができない場合の強い味方です。
さまざまな職種の退職事情や手続きに詳しい退職代行が、周囲に迷惑をかけることなく、安心・安全の退職サポートをしてくれます。
退職代行サービスは、電話やメール、チャットといった無料相談から始まることがほとんどです。ですので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ
- 実際には違っても仕事を辞めたいことが甘えに思われることはある
- 辞めたい理由については甘えでないか冷静に考えてみる
- 仕事を辞めることを決めたら、適切に行動し自分の答えを持つ
- 一人では解決できないようであれば退職代行に相談する
仕事を辞めたいと思うことは、誰にでもあることです。しかし、その理由が甘えだと思われることもあります。
自分自身の気持ちを整理し、冷静に対処することが大切です。自分自身が良い方向に進むための退職理由を考え、周囲への配慮を忘れずに、スムーズに仕事を辞めることができるようにしましょう。