セクシャルハラスメントは、職場において重要な問題です。
本記事では、セクハラの定義、セクハラされやすい人の特徴、セクハラの種類、ハラスメントの種類、セクハラによるトラブル例、そして対処法について詳しく解説します。
職場でのセクシャルハラスメントを回避するために、本記事をお読みください。
セクハラの定義とは?
セクハラとは、性差別的な行為や言動を指します。
- 個人の身分
- 性別
- 性的指向
- 年齢
- 身体的特徴
- なんらかの障がい
上記のような特徴を理由にして、他者を冒涜し、不当な権利を与える行為を指します。
例えば、他の人に性的な嗜好や経験について質問するなどです。セクハラは、個人的な尊厳を侵害する行為であり、労働環境を悪化させる可能性があります。
セクハラされやすい人に多い特徴
セクハラの被害を受けて苦しんでいる人には、「ある特徴」が共通していることが多いです。
以下に、セクハラされやすい人に多い特徴を説明します。
おとなしい
職場では、より活発な人物を好む傾向があるため、おとなしい人が抑圧される可能性があります。
また、おとなしい人物は、積極的に行動しないため抵抗できないことも多く、上司や同僚からセクハラを受けやすいという可能性もあります。
付き合いがよい
社会的な関係を築くために、付き合いがよい人は、他の人と接しやすく、他の人からの評価を得やすいです。
しかし、このような人付き合いが上手な人は、他の人からの不快な行動や言動に対しても、自分の考えを正しく伝えることができず、セクハラなどの不当な行為に苦しめられやすくなります。
プライベートな話が多い
プライベートな話をすることで、他の人からの信頼を得やすくなり、その人物に対してセクハラを行う可能性が高まります。
プライベートな話によって他の人との距離が縮まり、セクハラ行為を行う人がその人物に対して距離を縮めやすくなるためです。
空気がよめる
セクハラされやすい人の特徴に「空気がよめる」が多い理由は、社会的な立場や周りからの評価に敏感である可能性があります。
例えば、女性や若い人など、社会的に弱い立場にある人々は、上司や他の同僚からのセクハラを受けやすくなります。
スキンシップが多め
オフィス環境では、他の人との距離が近いため、思わぬ場面でのスキンシップが発生しやすいです。また、他の人との信頼関係を築くために、他人との距離を縮めることが一般的であるため、スキンシップが多めになる可能性があります。
しかし、スキンシップが「自分に好意をもっている」と勘違いする人も少なくありません。その結果、セクハラにつながる行動を取ってくるケースが多いです。
セクハラには4種類ある
セクハラには大きくわけて4つのタイプがあると言われています。
- 対価型
- 環境型
- 妄想型
- 制裁型
以下に、それぞれの特徴を紹介していきます。
不利益を被る対価型のセクハラ
対価型のセクハラとは、労働者が職場内でセクシャルな行為を行うことを要求され、拒否したことに対して何らかの報復や不利益を受けることを指します。
このような行為は、労働者に対して不当な圧力をかけ、職場内での労働環境を悪化させる可能性があります。このような行為は法律で禁止されており、厳しく処罰される可能性が高いです。
日常が苦痛に!環境型のセクハラ
環境型のセクハラとは、労働環境内で起こる性的ハラスメントのことです。特に、性的な嫌がらせや恐喝、そして性的な暴力を含む行為を指します。
これらの行為は、労働環境で働く人々に対して行われるものであり、労働環境内での職場の雰囲気を悪化させる可能性があります。環境型のセクハラを防ぐためには、組織全体での対策が必要です。
SNSやメールが原因?妄想型のセクハラ
妄想型のセクハラとは、職場で自分と他の人との間に「合意のある関係」が存在すると勘違いした信念を持っているセクハラの一つです。
多くの場合、SNSやメールをしたことで勘違いをした加害者が望まない誘いかけをしたり、不適切な発言をしたり、不適切な身体的接触をしたりすることを伴います。
最悪の場合、加害者が脅しをかけたり、被害者の弱みに付け込んだりと発展するケースも多いです。被害者の精神的、感情的な健康に大きな影響を与える可能性があります。
価値観の押し付け!制裁型のセクハラ
制裁型のセクハラとは、加害者が個人に対して職務上の制裁を行うことを意味します。これには、被害者が仕事を失う可能性があるほか、仕事の評価が低下したり、昇進が遅れたりする可能性があります。
このタイプのセクハラは、加害者が職場でセクハラをした事実を隠蔽するために行われることも顕著です。
セクハラは職場トラブルの氷山の一角
セクハラとは、もともと「ハラスメント」と呼ばれる働く環境内での不快な言動や行動といった行為の1つです。つまり、セクハラ以外にも、問題行動のハラスメントが多く存在します。
その中でも代表的なものを紹介します。
パワハラ
「パワハラ(パワー・ハラスメント)」とは、上司から部下への不当な権限行使による嫌がらせのことを指します。これは、上司が部下を威圧し、職務を妨害するような行為を行うことを指します。
例えば、上司が部下に悪い評価を与えたり、職務を無理に強いたり、報酬を減らしたりするなどが挙げられます。
モラハラ
「モラハラ(モラル・ハラスメント」とは職場内での上司から部下への不当な態度や言動を指します。モラハラには、職場環境を悪化させる可能性があり、個人的なストレスを引き起こす可能性があります。
マタハラ
「マタハラ(マタニティー・ハラスメント」とは、職場内で妊娠・出産・育児に関する問題を理由に不当な扱いを受けることを指します。
これは、職場での行動や仕事のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるため、個人的な問題を職場内で意図的に取りあげることを禁止する必要があります。
ジタハラ
「ジタハラ(時間短縮ハラスメント)」とは、労働者が仕事を完了する時間を短縮させられることを指します。これは、労働者が仕事を完了するのに十分な時間を与えられないなどの形で行われる可能性があります。
このようなハラスメントは、労働者の負担を増大させ、労働者の健康を損なう社会で問題になっている行動です。
ロジハラ
「ロジハラ(ロジカル・ハラスメント)」とは、正論を理由に労働者が直面する問題の解決を妨げる行為のことを指します。
正論を突きつけて反論を出来なくすることで、労働者に無理強いさせる行為を意図的に行うことが問題です。
ソーハラ
「ソーハラ(ソーシャルメディア・ハラスメント)」とは、オンライン上での他人への不快な行為や言葉を指します。これは、他人に対して不快なコメントを投稿したり、他人を攻撃的な形で評価したり、嫌がらせ的な行為を行ったりすることが多いです。
他人を傷つけるだけでなく、被害者の職場での生産性を低下させる可能性があります。
その他ハラスメント
他にも以下のようなハラスメントがあります。
- エイハラ(エイジ・ハラスメント):年齢を理由に不当な行為を受けること
- ジェンハラ(ジェンダー・ハラスメント):性別を理由に不当な行為を受けること
- ハラハラ(ハラスメント・ハラスメント):ハラスメントをされたと騒ぎ、ハラスメントを行うこと
これらのハラスメントは、いずれも労働者を不当に扱うことです。オフィスワーカーは、これらのハラスメントを認識し、自分自身を守るために、適切な行動を取る必要があります。
セクハラによる具体的なトラブル
セクハラは職場内での問題行動であり、多くのトラブルを生む要因となっています。具体的なトラブルについて、説明していきます。
不快であればセクハラ!トラブルのリスクが…
セクハラは、職場における深刻な問題であり、どのような場合にそれが発生したかを明確に判断することが重要です。
一般的に、歓迎されない性的な誘いかけ、性的な好意の要求、またはその他の性的な性質を持つ言葉または身体的行為と定義されています。
これには、職場内での行動を妨害するあらゆる行為が含まれます。
トラブル①異性関係のデマを流される
ある上司が社内外の関係者に対し、女性従業員の異性関係が乱れているかのように非難したことで、女性の評価が低下し、退職に至らしめた。
トラブル②年齢や結婚のことをしつこく聞かれる
男性上司が、同僚や部下の女性に対して、「年齢」「婚期」「年令による社会的立場」など、不快に感じる不適切な質問や発言を繰り返した。
トラブル③過剰なスキンシップが多い
数名の上司が部下に対し、忘年会で「抱きつく」「押し倒す」「顔をなめる」などのセクハラ行為を行った。一方で、セクハラ行為をあおったり、悪ふざけしたりしている者もいた。
トラブル④性的な好みで服装の指示がある
同僚や部下に対して、上司が自身の好みであるミニスカートやタンクトップなど肌の露出が多い服を着る事をしつこく求めた。
トラブル⑤抗議をしたら降格・配置転換になった
出張中に上司から過剰なスキンシップを受けたため、抗議や拒否を行ったところ、後日、不利な配置変更をさせられた。他の上司に相談した結果、それを理由に降格処分となった。
セクハラから他のハラスメントになることも多い
セクハラで注意すべき点は、ハラスメント全般に言えることですが、対策をしないまま放置していくとエスカレートする傾向が強いことです。
最初は軽い性的なものだったものが、モラハラ、パワハラへと発展していくことも知られています。
気になる事由が発生した場合には、速やかに対処を講じることが賢明です。
セクハラに対する対処法は?
セクハラは現在もメディアで取り上げられることが多い、根強い問題行動です。
その対処法は、個人だけでなく企業も積極的に行動すべきだと促されています。
企業がするべき対処法
セクハラが起きた企業は社会的なイメージを大きく損なうため、セクハラに対する行動や罰則を明確にしておく必要があります。
セクハラの企業責任が重大である
近年、セクハラの訴えが増えています。法律上は明確な定義はありませんが、「相手方の意に反する性的言動」を指します。
男性も女性も被害者となる可能性があります。職場で安心して仕事を行える環境を作るために、会社はセクハラのない職場を作り上げる必要があります。
セクハラした社員への対応
まず、セクハラについて適切な調査を行うことが重要です。セクハラの被害申告は個人的な性質上なかなか告白が難しいため、慎重に聴き取りを行う必要があります。
真実である場合、厳しい処分(配置の見直しや懲戒処分など)を行う必要があります。また、会社が十分なセクハラ防止対策を行っていない場合、民事の賠償責任を追及される可能性があるため、適切な体制作りも不可欠です。
セクハラ被害者への対応
会社は、セクハラの被害者の安全を確保し、今後の事故を防止するための措置を講じる必要があります。
これには、被害者と加害者の分離、第三者による調査、懲戒処分(譴責・減給・出勤停止・解雇など)が含まれます。調査の際には、被害者の意思を尊重することが重要です。
上記のような対応が見られないのであれば、いまの職場に居てもセクハラが改善される可能性は低いでしょう。
個人でするべき対処法
セクハラは企業だけに任せても不十分であることが多く、個人的に対策や行動を決めておくことも必要です。
セクハラの事実を周知してもらう
セクハラを助長しないためにも、誰かに相談することが大切です。大ごとにしたくないなどの理由から、相談先が限られる場合でも、他の社員に事実を知ってもらうことで、大きな支援を受けることができます。
かなり上の立場へ相談
上司からのセクハラについては、上司の上司への相談をおすすめします。取引先や顧客からのセクハラの場合は、上司と相談して複数人体制での対応や担当替えなどの対処法を検討するのがよいでしょう。
重要なのは、セクハラをやめさせるためには、加害者である上司よりも優位な立場にある人への相談です。
社内の専門部署に相談
会社には労働環境を整える義務があるため、社内の人事部門やコンプライアンス部門、労働組合などへの相談が可能です。
自分の部署の社員や上司への相談が難しい場合でも、これらの窓口を通じて第三者の立場から問題解決に取り組むことができます。
社外で相談サポートを利用する
社内で相談できない、または不利益な扱いを受けそうで怖い場合は、社外の窓口を利用してください。次の相談窓口があります。
- 法テラス
- みんなの人権110番
- 総合労働相談コーナー
- ハラスメント悩み相談室
など
法的なサポートを受ける
労働問題としてセクハラが深刻な場合、解決が見込めないなどの状況では、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
セクハラを相談する前準備
セクハラを相談して状況を解決しようとする場合、しっかりとした事実確認や何をもって解決とするかなど、事前に準備するものがあります。
以下を参考に、状況を確認してみてください。
証拠が大前提
証拠として手元に残すことが重要です。例えば、セクハラの音声データ、セクハラメールやLINEの履歴、セクハラ被害の内容や日時を記録したノートなどを残しておくとよいでしょう。
ノートには、自分がどう感じたか、体調などの変化はあったかなども記録しておくことが大切です。
時系列で事実をまとめる
不快なセクハラに遭ったときの感情や、身体を壊した場合の不調が現れた時期、治療を開始した時期などを時系列に整理しておく必要があります。
解決のゴールが何か考える
自分がどのような解決をしたいのかを決めておくことで、セクハラ問題の解決がスムーズに行えるでしょう。
例えば、退職を考えていない場合、セクハラ行為がなくなれば解決しますし、加害者とは別の部署に移れば解決できます。
退職した場合は、その分の損害を賠償請求することも可能です。どのような解決を望んでいるかによって、解決までのフローが異なるので、自分の中で考えておくことが重要です。
思い切ってセクハラの職場から退職するのもアリ!
セクハラは事実認定をしてもらうだけでも大変であったり、職場に働きかえても思うような成果が得られない可能性も考えられます。
そういう場合には退職することも選択肢の1つです。ただ、問題の加害者である上司に退職を告げにくい場合には退職代行を検討したほうがいいでしょう。
転職サポートやカウンセリング付きのサービスがある
退職を考えている場合、転職支援だけでなく、メンタルケアのカウンセリングを行っている退職代行があることを知っておいたほうがよいでしょう。
退職への移行をよりスムーズでストレスの少ないものにするために役立ちます。
そもそも退職代行サービスとは
退職代行とは、企業や個人のために、退職手続きを行うサービスです。企業や個人が退職時に行う必要な手続きを、簡単かつ迅速に行うことができます。
退職代行サービスを利用することで、退職手続きに関する時間やコストを節約できます。正確な手続きを行うことができ、退職時のトラブルを防ぎ安全な退職手続きを行うことが可能です。
まとめ
- セクハラの被害を受けやすい人がいる
- セクハラには複数のタイプがあり発展しやすい
- 解決するには多くの手間がかかる
- 早期解決として退職したほうが楽なことも考える
セクシャルハラスメントは職場における深刻な問題であり、企業・個人ともに必要な対策を講じることが重要です。状況が改善されない場合は、退職代行サービスを活用することも有効な選択肢のひとつです。