職場で感じるストレスの原因の約8割は、人間関係だと言われています。
ストレスを感じても友人関係なら切り離すことが可能ですが、職場の人間関係は断ち切るのが難しいため悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は職場の人間関係は、自分の工夫次第で解消する方法があるのです。
この記事では職場の人間関係のストレスを解消する3つの方法を紹介します。
人間関係の悩みが生じる理由
人間関係の悩みが生じる理由の一つは、コミュニケーションです。
コミュニケーションの基本プロセスで発生する
人間関係の悩みが生じる理由は、コミュニケーションの基本プロセスが上手くいかないことが挙げられます。
コミュニケーションは、以下の1から6のプロセスがスムーズに回ると、お互いが心地よく感じて安心や信頼感を得やすいです。
- 自分が感じる・考える
- 自分が言葉を発する、表情や態度で表す
- 相手が自分の表情・態度や言葉を受け取る
- 相手が感じる・考える
- 相手が言葉を発する、表情や態度で表す
- 自分が相手の態度や言葉、表情を受け取る
コミュニケーションのプロセスが思うように回らない場合、人間は不快になりストレスを感じるのです。
人間関係こじらせの原因は、「つまづき」が解消されないことにある
コミュニケーションの基本プロセスが上手くいかない状態を「つまづき」と呼びます。
人間関係をこじらせる原因は「つまづき」が解消されないことにあります。
なぜなら、「つまづき」が一定期間解消されないとお互いのストレスが蓄積し、嫌悪感になってしまうからです。
コミュニケーションの「つまづき」を解消しなければ、人間関係のストレスや嫌悪感に悩み続けることになるでしょう。
職場の人間関係で悩む人は多い
職場の人間関係で悩む人は多いと言われています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が21歳から33歳を対象にして調査を行った「初めての正社員勤務先を離職した理由」によると、離職原因の約3割が「人間関係」です。
職場での人間関係の悩みが、ストレスとなりメンタル面や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合があります。
人間関係が原因でストレスを感じる例を以下に紹介します。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」
https://www.jil.go.jp/institute/research/2017/164.html
目の前にストレス源がなくても、ストレスを感じてしまう
人間関係で嫌なことがあったときに、目の前にストレス源がなくてもストレスを感じることがあります。例えば、職場の上司や先輩に厳しく叱責された会議室に足を踏み入れるだけで、イライラしたり気分が落ち込んだりします。
このように、ストレスの原因になっている出来事が目の前で起きていなくても、過去の嫌な体験を思い出してストレスを感じてしまうのです。
心理的ストレスは、増大していく
人間関係の悩みは、ストレスとなって増大していきます。ストレスを放置するとメンタル面や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすこともあるので要注意です。
例えば、職場の上司や同僚との折り合いが合わず毎日ストレスを感じていると、ストレスが増大していき、その結果ケアレスミスが生じやすくなります。早めにストレスの原因を探して解消する必要があります。
人間関係のストレスを解決する4つの解消法
ここまでは、「人間関係で悩みが生じる理由」や「職場の人間関係で悩む」ことについて解説してきました。
ここからは、人間関係のストレスを解消する方法を4つ紹介します。
1つ目「相手のことを知る」
人間関係のストレスを解消するには、相手のことを知る必要があります。なぜなら、人間関係のストレスは、相手を知らないことから生じる誤解が多いからです。
例えば、上司から毎日嫌味を言われていると感じていても、上司からすれば期待しているため敢えて厳しい言葉をかけている可能性があります。
相手がどのような気持ちで言動になっているかを理解すれば、誤解が減りその人へのストレスが解消される場合があります。
2つ目「自分を肯定する」
人間関係のストレスを解消するには、自分を肯定することも大切です。なぜなら自分を肯定し受け入れることで、他者も同様に尊重し受け入れられるからです。
例えば、営業成績が悪い時に落ち込み、自分を否定してしまいがちな人は、同様に業績の悪い部下を厳しく叱ってしまうことがあります。
一方自分を肯定している人は、営業成績が悪い同僚や部下を肯定し受け入れることで建設的なアドバイスができます。
3つ目「極力やり取りを避ける」
ストレスの解消が上手くいかないときは、原因になっている人とのやりとりを極力避けるのも必要です。なぜなら、こちらに非がないにもかかわらず、悪意を持って嫌な言動や態度をとってくる人は一定数いるからです。
ちょっとしたやりとりでストレスを感じる相手の場合は、物理的な距離をとることを考えましょう。
仕事でどうしても関わらなければいけない相手であれば、第3者を挟むなどしてコミュニケーションの機会を減らすのもおすすめです。
4つ目「人間関係はある程度のところで割り切るのも大事」
人間関係のストレスを解消するには、「仕事上の人間関係」として割り切ることです。なぜなら、学校とは違い仕事は仲良くするためにやっているわけではないからです。
そのため特定の相手との関係に固執して、ストレスを抱え込むと仕事の効率を下げてしまいます。
仕事は選べても一緒に働く人は選べないため、人間関係が上手くいかなくても、「仕事上の付き合い」として割り切るといいでしょう。
生まれつき、”超繊細な人”が5人に1人いる
ここまでは、人間関係のストレスを解消する方法を解説してきました。でも人間関係に悩んでいる方の中には、生まれつき人一倍繊細で傷つきやすい気質の人もいます。
心理学者のエレイン・アーロン博士は、この気質の人をHSPと呼んでいて、5人に1人は該当すると言われています。HSPを持っている人は、職場や家庭環境などの生活の中で気疲れをしやすく、生きづらさを感じることが多いのです。
ここからはHSPを持っている人が、人間関係で悩んだ時にできる対処法を以下に紹介します。
HSPとは
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で人一倍繊細な気質をもっている人を指します。心理学者のエレイン・アーロン博士によって付けられた人の気質を表す名称です。
HSPを持っている人は、人間関係に気を使いやすいためとても疲れやすく、人嫌いになってしまう傾向にあります。
HSPの人がどうしようもなく人間関係で悩んだら…
HSPを持っている人は、人一倍繊細なため、人間関係に気を使いやすく悩んでしまう傾向にあります。HSPは、病気や障害ではなく生まれ持った気質のため、環境を変えるのが得策とされています。
具体的には以下の3つの方法がおすすめです。
居心地のよい職場へ転職する
HSPの人が人間関係で悩んだら、居心地の良い職場へ転職するのも方法の一つです。なぜなら人間関係がストレスになっている状態で勤め続けると、心身共に大きなダメージを受けてしまう可能性があるからです。
馴染めない職場で無理をして続けるよりも転職して、人間関係をリセットしてみるのもいいでしょう。
リモートワークで働き、周囲からの刺激を減らす
職場の人間関係で悩んだらリモートワークで働くのがおすすめです。
なぜなら、HSPの人は聴覚や視覚からの刺激に対して敏感なため、職場の同僚の会話や通勤の満員電車など気を使うシーンが多いと気疲れしてしまうからです。
在宅勤務であれば、周囲の会話や電車通勤もなくなるため、刺激が少なくなります。
働く場を選べるフリーランスで働く
人間関係に悩んだらフリーランスで働くのもおすすめです。なぜならフリーランスは働く場所を選べて、自分の好きな人と一緒に仕事ができるからです。
職場の人間関係のストレスから開放されるのは大きいでしょう。
HSPの人が仕事を辞めるときに気を受けたいポイントはこちら
人間関係がめんどくさいと感じたら職場で疲れない方法や関わりたくない人の特徴の記事をお読みください。
まとめ
ここまで説明してきたように、職場の人間関係のストレスを解消する主な方法は4つです。
- 相手を知ること
- 自分を肯定すること
- 極力やり取りを避る
- 仕事上の人間関係として割り切る
ただしHSPを持っている人は注意が必要です。人間関係に悩んだら、あれこれ考えずに環境をパッと変えてみるのもおすすめです。無理をせず転職やフリーランスになるのもいいでしょう。