「仕事から帰ってきても頭から仕事のことが離れない」「上司からキツイ言葉を言われ辛い」そんな風に悩んでいませんか?
役職についたものの、そんな風に思い詰めてうつ状態に陥ったり、精神疾患を患ったりする人が増えています。
この問題はひと昔前であれば男性が抱えることが多かったのですが、昨今は女性の社会進出が進み、以前に比べて性別に関係なく発生しています。
また、女性が管理職につくことも増え男女関係なく苦しんでおり、今回は中間管理職ならではの悩みの原因を確かめつつ、状況別に対処法を解説していきたいと思います。
悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
中間管理職を辞めたい理由・ストレスの原因
中間管理職になったものの辞めたいと考えてしまうのは何故なのでしょう。
この記事を読んでいる読者の中にも、漠然と「辞めたい」と頭に浮かんでいるものの頭の中を整理できていない人もいるかもしれません。
ここでは辞めたい理由とストレスの原因について考えていきましょう。
上司と部下の板挟み
中間管理職はどうしても上司から結果を求められて強い要求を迫られることもあり、一方で部下には、その要求に合わせて指導しながら育成しなければならず、はたまた部下からは不満がでて、それに対応することで上司と部下の板挟みになるケースがあります。
業務量が多い
管理職になるとマネジメントなどの数値管理、人事に関する部下の仕事の確認、フォロー、育成は勿論のこと採用や人員配置、その他として上司への報告、会議への出席とあらゆるタスクが増えます。
人には1人でこなす仕事量の限界があります。
限られた時間の中で消化しなければなりませんが、実際の現場ではゆとりを持って仕事しているケースは稀で業務過多が大きな負担となっています。
責任が重い
管理職として上司から常に目標数値に対する結果を求められたり、顧客からは責任を問われたり、あらゆる面で責任は常に付きまといます。
人によっては責任感が強いあまりに頑張りすぎてしまいオーバーフローしてしまい精神を病んでしまいかねません。
給与面に不満がある
役職についたものの待遇面で納得のいく報酬を得られていないのが現実です。
労働に見合った対価が貰えないばかりか、役職につくと役職手当がつく代わりに残業代がなくなり、結果としてサービス残業になっているケースも多くあります。
給与面でせめて納得がいっていれば、それをやり甲斐として頑張れるかもしれませんが、管理職になる前と手取り額が変わらず満足のいく給与を貰えないまま、自分の働きを正当に評価されていないことに疑問を抱えていると辞めたいと感じる原因になります。
管理職になると個人ではなく役職者としての結果に応じた評価になり賞与での結果が出づらいことも一因です。
人間関係が良くない
管理職になると対等な関係で仲間と話せなくなり、孤独な状態に陥りがちです。
上司が頼りになり尊敬できて話しやすいなどの場合は前向きに仕事ができますが、そうでなかった場合は部下との人間関係に悩むことの多い管理職としては追い詰められる状況になります。
部下と自分自身だけならまだしも、複数の部下同士で職場の人間関係が険悪になった場合は管理職がその解決に時間を割いたりとデリケートな問題に心をすり減らすケースも多いのが現実です。
仕事に興味をもてない
任された当初は仕事に対して必死に取り組んでいても、結果がついてこずに思い悩んだり、上司に気軽に相談できないなどの段階を経て、仕事に対する情熱を持ち続けることが困難になり仕事に興味がもてないといった状況になることがあります。
ここまでくると、ただ仕事をこなしているだけになり上司から結果を求められてもそれに応えるのが難しくなってくるでしょう。
入社前に聞いていた条件と違った
入社前に聞いていた評価基準や想定年収、他にも人員不足がなかなか解消されず労働環境が想定していた水準に満たずに、入社して蓋を開けてみると聞いていた話と随分違うと戸惑うこともでてきます。
会社に対して不信感を持ち、今の会社にそのまま居続けることを悩む原因になります。
他にも、中間管理職の業務自体が好きではないなどの理由もあります。
ストレスで悩んでも管理職をやめられない理由
ストレスで悩み、とことん悩んでしまい出口が分からなくなったり路頭に迷った場合は、管理職を辞めることも前向きな方法ですが、実際の職場では簡単に辞められないと考える場合が多いのも現実です。
辞められない理由とはそんなことがあげられるでしょう。管理職として働いているからこその葛藤があるようです。
理由1.収入が減ってしまうのが困る
管理職手当はつくものの、管理職として評価されることで賞与額が大きく変わってしまう場合もあります。
家族が居れば家族を養うことが優先されたり、独身でも今の生活をなんとか維持しなければ苦しい状況に陥ると不安になり、管理職をやめることを躊躇してしまうケースが多いです。
一つ一つの仕事にゆっくりと時間が掛けられる訳ではなく、人手不足も相まって業務過多で残業になったり、自宅に持ち帰るなどしなければ回らず常に何かに追われながら仕事をしなければなりません。
理由2.管理職をやめることに責任を感じる
責任感が強い人ほど、自分が辞めてしまうと部下が路頭に迷い職場に迷惑を掛けてしまうのではないか、今担当している仕事を放り投げてしまうのは無責任ではないかとの思いから、「簡単に辞めることができない」と結論を出せないケースがあります。
理由3.自分の代わりがいない
会社に後任となる管理職が育っておらず、上司から「後任が育つまで辞めないでほしい」「人手不足で直ぐに後任が見つからないから辞めないでほしい」と圧力があり、仕方がないと踏み留まらざる得ないと管理職を辞めることを諦める人もいます。
理由4.プライドが許さない
辛くて辞めたいと内心思っていても、「せっかくここまできたのに」「管理職を下りたら何かトラブルを起こしたんだと周りから思われるに違いない」「実力不足だったんだ」そんな風に周囲から思われてしまわないか心配になり、自分自身のプライドが邪魔して問題を解決できないままズルズルと続けてしまうケースもあります。
管理職をやめたいと悩んだときの対処法
管理職をやめたいと悩んだ時に、どんなことが対処法として有効でしょうか。
ついつい辞めることばかり考えてしまいますが、方法はいくつかあります。
もしまだ実践できていないことがあれば取り入れてもらったり、参考にしてください。
部下を育てる
ストレスの原因を考えると管理職ならではの悩みとして部下の育成が上手くいかずに、あなた自身の業務量を振り分けきれずにタスクオーバーしている場合があります。
このような場合は社内研修に参加させたり、個人面談をじっくりしてみたり、もしくはいつもなら自分でやってしまう仕事を部下に任せてトレーニングしていくことで最初は大変かもしれませんが次第に経験を積んで任せられる業務が増えたり、部下自身も主体的に働いてくれれば、あなたの悩みも今後解消に繋がるかもしれません。
スキルを伸ばす
マネジメントや育成に関するスキルを習得して、効率よく仕事ができれば自身の成長にも繋がり、仕事自体も生産性が上がっていくので悩みも減って一石二鳥といえます。
プライベートを充実させる
人によってはオンとオフの切り替えが上手くできずに四六時中思い悩み、管理職を辞めたいという気持ちが強くなっていたりします。そのため、気持ちを切り替えることを上手く行うための方法として、休みの日は趣味に没頭したり、親しい友人と食事に行ってみたりとプライベートの時間は思いきり楽しんで、休みの日は仕事を忘れて過ごす時間を増やして解決する場合もあります。
降格の希望を出す
思い切って上司に降格を申し出てみましょう。心身ともに疲れきって正常な判断が下せなくなる前に、自分の気持ちに正直になることも大切です。
人生は一度ですが、何度でもチャレンジすることができます。伝えてしまえば、あとは会社が考えるのが仕事です。
転職する
会社側に問題があり、転職すれば解決するのであれば会社は沢山あります。狭い視野で迷わずに、新しい会社で解決することがあれば、転職活動をはじめてみましょう。
現職で管理職を任されている、あなたであれば転職しても管理職につける可能性があります。
役職を外れる?退職する?
役職に一度つくと役職のない状態を選択するのを戸惑ってしまったり、場合によっては様々検討した結果、退職することを決意する人もいるでしょう。
選択肢としてどんな方法があるか確認していってください。
管理職を外れて会社に残る
降格して会社に残ることを不安に思う人もいますが、管理職という役割が自分に合わなかっただけで、今の会社には不満がないものの役割が自分には荷が重いなどの理由であれば管理職という立場に拘らず、今の会社に残るのもいいでしょう。
もう少しあなた自身が経験を重ねて自信がついた頃にもう一度リベンジするという選択肢もあります。
勿論、管理職以外でもあなたを必要とするポジションはきっとあります。
他の会社で管理職になる
管理職としての仕事はまっとうしているのに、会社の自分自身への評価がきちんとされておらず、そのような会社で管理職を続けることに不満があるのであれば、正当な評価をしてくれる他の会社へ転職して管理職になるというのもよい方法です。
そもそも管理職自体が合わない
世の中には向き不向きがあります。個人でプレーすると存分に力を発揮できるのに、管理する側にまわると途端に能力を発揮できないケースもあります。
責任感が強くストレスを抱え込みすぎたり、育成が苦手だったり、逆に人に気を遣いすぎたりする性格だと神経をすり減らす場合もあります。
そのような場合には管理職にこだわらずに自分にあった役割のなかで頑張ればいいのです。管理職でなくて、あなた自身が輝ければ管理職でなくてもよいわけです。
管理職を辞める方法
管理省を辞めるには、どんな方法があるでしょう。自分だけで考えると視野が狭くなってしまうため、下記の内容を参考にして検討してみてください。
降格を申し出る
理由を説明し、降格しても会社に残って頑張りたいと伝えれば会社にとって退職されてしまうよりは良かったと後任を探して、あなたの希望を受け入れて貰えるはずです。
会社を辞める
心身の苦しみを抑えることを優先して会社にいることは得策ではありません。
一刻を争う時は、まずは会社を辞めて、余裕のある生活をすることで正常な判断ができるようになります。
転職する
転職しないと不満が解決しないケースであれば、前向きで有効な手段です。給与をアップさせたい、労働環境の改善をしたいと希望しているならば管理職としてのスキルを活かしてステップアップしましょう。
フリーランスになる
フリーランスになれば、煩わしい上司がいなくなり仕事の方針や仕事の内容もあなた自身で決めることが可能です。
転職する方法以外の選択肢として検討してみる価値はあります。ピンチをチャンスにできるかもしれません。
すぐに使える退職理由
闇雲に辞めたいと申し出ると、説得すれば何とかなると思われ、上司からしつこく引き止めにあったり退職日を引き伸ばされることがあるため、退職理由を伝える際は慎重に行いましょう。
これからご紹介する方法であれば比較的スムーズに退職まで進めることができるでしょう。
家庭の事情
「家庭の事情で・・・」それだけを伝えると踏み込んで更に詳細に聞こうとしてくる上司もいますが、遠方の祖母が介護が必要になり家族でしばらく介護をしなければならなくなった、親族の家業を手伝うことになった等、それらしい内容を考えて話しましょう。ズカズカと踏み込めない内容と上司も判断すれば諦めてもらえます。
自分自身の体調不良
「仕事をしているうちに精神的に参ってしまいうつ病と診断された」「無理をして仕事をした結果通院しており医者から仕事を辞めるよう言われた」等と伝えるのは有効です。
会社としては責任を負うことを嫌うため、このような理由の場合引き止められることはないでしょう。
自分の夢や目標のため
夢や目標が別に見つかり、これ以上今の職場では頑張ることができないこと、明確に何をやりたいと考えているかまで説明することで、上司に今の仕事に対して今後も続けてもらうことが難しいと理解してもらいましょう。
その際、夢や目標に向かってスケジュールが決まっていて退職日が先延ばしにならないように日程を明確に伝えることも大切です。
まとめ
ここまで中間管理職を辞めたい理由と辞める方法について下記の内容で紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- 中間管理職を辞めたい理由・ストレスの原因
- ストレスで悩んでも管理職をやめられない理由
- 管理職をやめたいと悩んだときの対処法
- 役職を外れる?退職する?
- すぐに使える退職理由
管理職はストレスフルで真面目な人ほど追い込まれがちです。
人生頑張る時期も必要ですが過度に自分自身が疲れてしまうと取り返しがつかない程にメンタルに不調をきたし、それどころか体調にまで大きく影響していきます。
筆者も周りでそのような人を見てきました。
あなた自身の心身のサインに嘘をつき続けると限界がやってきます。働く方法はいくらでもあり仕事は辞めても何とかなります。
今の環境にこだわらない、別にリフレッシュ方法を見つけるなど是非苦しいままにせずに最適な方法を選んでください。
どんな選択肢を選んでもあなたがよく考え出した結論であれば、前を向いて歩んでいけるでしょう。
よくある質問
中間管理職を辞めたいと思う人によくある質問をご紹介します。
管理職の退職の伝え方は?
丁寧なあいさつと、引き止めが難しい退職理由を伝えましょう。「お時間を頂きありがとうございます。この度、退職をさせていただきたいと考えております。家庭の事情で職場を離れなければならず、引き続き業務を続けたいのですが、退職をせざるを得なくなってしまいました。今までお世話になりました」と伝えましょう。
係長がしんどいと言われる理由は?
部下のマネジメントを行いつつ、一般社員と同じような業務を行わなければならないからです。係長はマネージャーと仕事と並行して自らもプレイヤーとして一般業務をこなす必要があることから、係長はしんどいと言われることがあります。
上層部が辞めていく会社の特徴は?
上層部が辞めていく会社の特徴は以下の通りです。
- 適切な評価がされていない
- 社内のコミュニケーションが上手くいってない
- 待遇が良くない
- 成長の機会がない
- やりがいを感じない仕事が多い
- 事業の将来に不安がある
管理職にならなきゃよかったと思う理由は?
管理職にならなきゃよかったと思う理由は次の通りです
- 責任が重くなった
- 中間管理職なので業務の負担が大きい
- 給料が割にあわないと感じる
- 人を動かすのは重い通りにならなくてストレスが溜まる