ブラック企業の割合はどのくらい?厚生労働省の調査結果がこちら!

日本企業にはブラック企業が多いと言われていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

またブラック企業の特徴や見極め方はあるのでしょうか。

当記事では、厚生労働省が労働基準行政の活動状況を収録した「労働基準監督年報」をもとに、日本のブラック企業について考察を進めていき、ブラック企業の現状と見極め方について解説します。

参照:厚生労働省「労働基準監督年報」より

厚生労働省の調査データから分かるブラック企業の割合

労働基準監督年報の調査データからは「監督実施状況」を確認することができます。

監督調査をした結果、労働基準法の違反が何件あったのかが記録として残されています。

労働基準法の違反がある=ブラック企業と安易に決めつけることはできませんが、少なからず違反の統計は把握することができます。

令和2年の監督実施状況を確認すると、以下のような結果となっています。

令和2年の監督実施状況
  • 定期監督 実施件数:116,317、違反件数:80,553(69.1%)
  • 申告監督 実施件数:18,310、違反件数:11,938(65.2%)
  • 再監督 実施件数:11,006、是正件数:4,921(44.7%)

定期監督と申告監督で調査した結果、6割以上の企業において違反が認められたことになります。

また再監督によって是正を確認できた企業は5割に届いていません。

人によって受け取り方に違いはあるでしょうが、統計の数値からは日本にブラック企業が多いと言われる所以も理解できます。

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許せないな

ブラック企業に一番多い法令違反

ブラック企業に多い法令違反について解説をしていきます。

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これから中身を説明していくぜ

1位:安全基準

法令違反の件数で一番多いのが「安全基準」に関することで、定期監督で22,432件の違反が確認されています。

安全基準とは、働く環境における安全性と快適性を保つことです。

機械を正しく利用しているか、薬品の管理は的確にされているか、危険物や有害物等の基準を守っているか、などが確認事項となります。

2位:健康診断

違反件数の第2位が「健康診断」に関することで、定期監督では20,153件の違反が確認されています。

企業では健康診断が義務付けられており、正しく受診していない人が多いことが分かります。

健康診断を受けなかった理由が、個人的に受けに行っていないのか、企業が受けさせる体制を整えていないのか、など状況によって課題は変わってくるでしょう。

3位:労働時間に関するもの

第3位の違反件数が「労働時間に関するもの」です。

定期監督で19,493件の違反となっています。

長時間労働は社会的にも注目されており、精神的、身体的に病んでしまう事案につながりやすいです。

ブラック企業と聞いて、安全基準や健康診断よりもイメージしやすい違反事項かもしれません。

4位:割増賃金(時間外、休日及び深夜)

違反件数の第4位が「割増賃金」であり、16,701件の違反となっています。

労働時間に関するものと親密に関わっており、合計すると36,194件で第1位になります。

残業をしていても残業代が支払われない、土日に働いても手当てが出ない、といった指摘の事例になります。

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会社を辞めたい理由に直結するな

5位:労働条件の明示

第5位の違反件数が「労働基準の明示」であり10,817件となっています。

労働契約書は正しく結びなさい、という指摘になります。

社員として働く人よりもフリーランスや業務委託を受ける人に多い事象かもしれません。

ブラック企業の特徴と見極める方法

ブラック企業の特徴と見極める方法には以下のようなものがあります。

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詳しく解説していくぜ

1.非公開求人に注目

非公開求人とは、転職エージェントに登録をしていないと閲覧できない求人のことです。

非公開求人を出す企業は、スコープを絞って優秀な人材を採用したいと考えています。

そのため、応募する人数が少なく、採用までに多少時間がかかったとしても良い出会いがあるまで採用活動を続ける傾向にあります。

一方、公開求人とは誰でも応募できる求人のことです。公開求人を出している企業の中には、退職者が多いため、とにかくたくさんの方に応募してもらいたい、と考えている企業が含まれています。

一般的に公募しているため、応募者が多く採用スピードを上げることができます。

一概に公開求人を出している企業がブラック企業というわけではありませんが、求人方法は企業を見極める際の1つの指標となるでしょう。

2.求人情報上の文言に注目

求人情報上の文言には、ブラック企業を見極める参考になる情報が含まれています。

例えば、応募条件のハードルが低い求人情報には注意が必要です。

年齢は問わない、学歴不問、資格不要、未経験者歓迎、など採用条件のハードルが低い企業には注意が必要です。

優秀な人を採用するよりも、労働力として人を採用することを目的にしている場合があります。

他にも、残業代について明記されているかを確認します。

残業代を出さない企業の中には「〇〇手当」や「年俸制」といった制度でまとめている場合があります。

残業に関して明確に記載がない場合は、ブラック企業を疑うようにしましょう。

3.離職率に注目

離職率が高い企業はブラック企業である可能性が高いです。

離職率が低い企業は、その数値を求人のアピールに使うことはありますが、基本的に求人票から離職率を知ることは困難です。

転職をするのであれば、面接の際にはっきりと聞くようにしましょう。

面接官が濁した表現で反応した場合は、ブラック企業の可能性があると見極めることができます。

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平均在籍年数を聞くのもアリだな

ブラック企業の割合が多い業界についてはコチラでご紹介しています。

ブラック企業の業界ごとの割合

職場がブラックだと感じたらやっておくべきこと

職場がブラック企業ではないかと疑い始めたら、やっておくべきことがあります。

職場がブラック企業と感じたらするべきこと
  1. 転職先の情報をリサーチする
  2. ブラック企業の証拠を集める

    転職先の情報をリサーチする

    ブラック企業かなと思ったら、転職先の情報をリサーチしてみましょう。

    いつ辞めても大丈夫なように、準備は早めにしておいて損はありません。

    また、転職先をリサーチしていると自分の会社との違いも見えてくるようになります。

    やっぱり残りたいのか、次のステップに進みたいのか、決断しやすくなるメリットもあります。

    ブラック企業の証拠を集める

    ブラック企業としての証拠を集めておくことも大切です。

    例えば、残業した分だけ残業代が出ていないのなら、残業時間が分かるような証拠を残しておきましょう。

    上司が「知らない」とならないように、やり取りをしたメールなどもあるとベストです。

    最終的にこれらの証拠は利用されないことが一番いいのですが、自分を守る行動はしておくようにします。

    ブラック企業を円満退職するコツは?

    うつ病で退職する時の伝え方は?即日退職の方法や退職届の例文も!

    まとめ

    • 労働基準監督年報の監督実施状況でブラック企業の件数が把握できる
    • 定期監督と申告監督で調査した結果、6割以上の企業において違反があった
    • ブラック企業に多い違反は、安全基準、健康診断、労働時間の順になっている
    • ブラック企業は、求人情報の内容で見極めることができる
    • ブラック企業だと感じたら転職先のリサーチや証拠集めをしよう

    厚生労働省の活動を収録した「労働基準監督年報」をもとに、日本のブラック企業割合やブラック企業で多い違反事例、ブラック企業の見分け方を解説してきました。

    ブラック企業だと感じたら、自分を守れる行動を起こしましょう。

    よくある質問

    ブラック企業の割合を調べる時に、よくある質問や気になる項目についてまとめました。「こんな事も気になる!」という質問がある方はぜひこちらから探してみてください。

    日本企業がブラックばかりなのはなぜ?

    日本企業にブラック企業が多い理由として、雇用や経済の状況が世間的に良くないことが挙げられます。そのため労働環境に影響が出やすくなっています。退職代行というサービスが発展するほど、ブラック企業があるとも言うことができます。詳しくはこちらをご覧ください。

    ホワイト企業の割合は?

    ホワイト企業の割合は、反対のブラック企業が6割近くになっているので、全体の4割以下になっています。詳しくはこちらをご覧ください。

    労働基準法違反の割合は?

    労働基準法違反の割合は複数が絡み合って増えており、具体的には以下のものがあります。
    労働時間、賃金、労働条件。詳しくはこちらをご覧ください。

    ホワイト企業の特徴は?

    ホワイト企業の特徴として、以下のものがあります。
    拘束時間が長くない、給料が高い、人の入れ替わりが少ない。詳しくはこちらをご覧ください。