「公務員を辞めたいと思っているけど、スムーズに辞めるにはどのようにしたらいいかわからない」
このように考えている公務員の方も多いのではないでしょうか。
基本的に公務員は一般企業と退職する際の決まりなどが違うため、退職代行業者を利用することは難しいとされています。
そこで今回は公務員でも退職代行は使えるのかどうか、公務員が退職代行を使うのが難しいとされている理由、退職代行業者を利用する際の注意点などについて解説していきます。
公務員でも退職代行は使えるが難しい!難しいとされる理由は?
公務員でも退職代行を使うことはできますが、一般企業の社員よりも難易度が厳しいと言えるでしょう。
難しいとされている理由は以下の通りです。
- 民間企業と公務員では退職規定が異なるため
- 公務員の退職には許可と辞令交付が必要なため
- 自衛隊には一部上官に退職を承認しない権利があるため
ここからは上記の理由について詳しく解説していきます。
民間企業と公務員では退職規定が異なるため
公務員が退職代行を利用するのが難しいとされている理由として、民間企業と公務員では退職規定が異なることが挙げられます。
民間企業であれば民法627条によって、 「退職の意思を示した日から2週間経過」すれば辞めることができます。
反対に、公務員が退職する場合は国家公務員と地方公務員で定められている法律に従う必要があります。
この法律では公務員が退職するには任命権者による許可と手続きが別途必要になるため、退職代行業者が入り込むことが困難であると言われています。
公務員の退職には許可と辞令交付が必要なため
公務員が退職したい場合には、漁師から許可をもらい辞令交付を受け取る必要があります。
辞令の交付を受けるためには原則辞令交付式に参加することが必要となります。
このことから退職代行を使うことができたとしても、その日のうちに辞めることは非常に難しいといえるでしょう。
式には必ず出席しないというわけではありません。欠席した場合には、後日郵送で送ってもらう、もしくは職場に取りに行くことで事例を受け取ることが可能です。
どうしても辞令交付式に出席したくない場合は 、退職代行業者から代わりに伝えてもらうことも可能です。
自衛隊には一部上官に退職を承認しない権利があるため
公務員の中でも自衛隊は上官に退職を承認しない権利があるため、退職することが非常に困難といえるでしょう。
これは自衛隊法の第40条でも定められており、「退職を申し出ても状況に応じて承認しなくてもいい」と記載されています。
このことから退職を希望しても断られてしまう可能性があります。
自衛隊法にも特別な事由がある場合を除いてと定められていることから、特別な理由があれば辞めることができます。
もし自衛隊として働いていて退職代行業者を活用したいのであれば、特別な理由についてしっかりと対応することのできる退職代行業者を選ぶようにしましょう。
公務員が即日退職するための条件
公務員が即日退職するための条件には以下の2つがあります。
- 規定の日数分の有給休暇が残っている
- 任命権者からの承認を得ることができた
ここからは上記の条件について一つひとつ解説していきます。
規定の日数分の有給休暇が残っている
公務員は欠勤ということが認められていないため、もし規定の日数ぶんの有給休暇が残っているのであれば、その休暇を利用することで即日退職も可能といえるでしょう。
とはいえ、止めるまでの日数分の休暇が残っていない場合は数日出勤する可能性が考えられることから注意が必要です。
任命権者からの承認を得ることができた
規定の日数ぶんの有給休暇が残っている場合でも、休暇に対して任命権者から承認を得ることが必要になります。
この承認を得ないと即日退職することが不可能になるので、有給休暇と任命権者からの承認を得ることは即日退職をする上で必須といえるでしょう。
公務員の出社拒否やバックレは危険
公務員が出社拒否や仕事をバックレてしまうことで、処分の対象になってしまうことから、無断欠勤をすることは避けるようにしましょう。
国家公務員のキッチンに関する処分については人事院懲戒処分の指針で定められていて、下記の通りになります。
- 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。
- 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。
- 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。
引用:人事院『懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)』より
21日以上無断欠勤をすることで、免職や停職を受けるということを理解している人は多いですが、1日でも欠勤してしまうことで処分の対象になることを知っている人は少ないと言えるでしょう。
公務員が無断欠勤や出社拒否をすることは、一般の会社員よりも非常にデメリットのある行動となります。無断欠勤をしたくなるぐらいやめたいのであれば、是非退職代行業者に依頼をするようにしてみてください。
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トラブルに注意! 公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスク
公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスクには以下のようなものがあります。
- 公務員の退職代行実績があるところを選んだ方が安心
- 弁護士が代行するケースが多く相場よりも費用が高くなる
- 対応業者に要相談! 即日退職が難しいケースが多い
- 運営元が労働組合でも公務員に関しては交渉権がない
- 即日退職ができないのに欠勤を続けると懲戒解雇の可能性も
ここでは上の注意点とリスクについて詳しく解説していきます。
公務員の退職代行実績があるところを選んだ方が安心
公務員が退職代行業者を選ぶ際には、実際に公務員に対して退職代行を行ったことのある所を選んだ方が安心と言えるでしょう。前述したように公務員の退職は一般企業とは定められている法律や決まりが違うことから、業者側がどれだけ慣れているかも大きなポイントです。
このことから、実際に公務員の退職実績のある業者かどうかを見極めるようにしましょう。
弁護士が代行するケースが多く相場よりも費用が高くなる
公務員の退職は法律や決まりなどが一般企業とは違うため、法律のプロである弁護士が代行する方が非常に安心と言えます。しかし弁護士に依頼をすることになるので、そのぶん費用も高くなってしまうので、相場よりも数万円程度費用がかかってしまう可能性があります。
とはいえ弁護士に依頼することで、有給休暇や退職日の調整、未払給料がある場合はそこも対応してもらえるので、非常に手厚いサポートを受けることができるでしょう。 弁護士がついている方がスムーズに退職を勧められる可能性が高まるので非常におすすめです。
対応業者に要相談! 即日退職が難しいケースが多い
先ほども少しお話ししましたが、公務員は無断欠勤ができないため即日退職が難しいケースが非常に多いです。しかし有給休暇が残っていたり、任命権者からの承認が得られる場合は有給休暇を使った上での即日退職が可能となるでしょう。
また、自衛隊は法律上即日退職できる可能性はかなり低くなってしまうので、もし自衛隊で退職したいという人がいたら注意するようにしましょう。
運営元が労働組合でも公務員に関しては交渉権がない
公務員が退職するためには、任命権者の承認が必要となるため許可を求める交渉が必須となります。このことから交渉をしっかり進めることのできる代行業者を選ぶことが大切です。
この際、労働組合は公務員に関しては交渉権を持っていないので注意するようにしましょう。理由としては一般企業には労働組合が存在しますが、公務員には労働組合を作ることができないため存在しません。
そして公務員に対して交渉権を持つことができるのは弁護士だけなので、運営母体が弁護士事務所である退職代行業者を選ぶことが絶対となります。
即日退職ができないのに欠勤を続けると懲戒解雇の可能性も
即日解雇ができないのに対し、欠勤を続けてしまうと懲戒解雇の可能性も考えられます。これも前述しましたが、公務員は任命権者からの承認がない限り欠勤することができないため、無断欠勤をしてしまうと、処罰を受ける対象になってしまいます。
まとめ
本記事では公務員が退職代行業者を使えるのか、退職代行業者を利用する際のポイントや注意点などについて解説していきました。 公務員は一般企業と退職に関する決まりが違っているため、退職代行業者を利用することが難しいとされています。
しかし、弁護士など法律のプロが在籍している退職代行業者であればスムーズに退職を勧められることが考えられるため、現在公務員をしていて退職に悩んでいる人はぜひ一度退職代行業者に依頼をしてみてください。
よくある質問
公務員が退職代行を使うことができるかどうか気になる時に、よくある質問や気になる項目についてまとめました。「こんな事も気になる!」という質問がある方はぜひこちらから探してみてください。
公務員はバックレしてもよい?
公務員はバックレしてもよいことはありません。処分の対象になることが多いです。くわしくはこちらをご覧ください。
公務員は退職の引き留めにあう?
公務員でも退職する時には退職の引き留めにあう可能性はあります。ちゃんとした退職理由を考えましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
公務員が経験する退職のトラブルは?
公務員が経験する退職のトラブルは、法的なものが多く弁護士に相談するケースが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
公務員が即日退職する方法はある?
公務員が即日退職する方法は、難しいですが、弁護士の退職代行サービスに相談してみましょう。詳しくは弁護士法人が運営する退職代行についてこちらの記事をご覧ください。